「才能を発揮すること」は幸せなのか

 

いまだ三浦春馬さんのニュースを目にする度、とても苦しく哀しい気持ちになります。

 

 

「才能を発揮して生きること」が、必ずしも本人にとって幸せとは限らない…

 

 

才能、という言葉より「自分の得意なこと(無理なく自然にできる、頑張りやすいこと)」という表現の方が分かりやすいかもしれません。

「才能が十分に発揮される」時、そこにはいくつか条件があることに気づきます。

 

・セルフケアをする時間(自分の感覚を自分でちゃんと確かめる時間)がしっかりあること

・辛い時に「助けて」と言える環境があること

・才能についてとやかく言ってくる声を良い意味で気にしない精神、環境的な安心感があること

・自分で自分をしっかり認める(愛する、正当に自己評価できる)こと

 

 

 

才能と、「こう生きていきたい」と思う在り方が違う。

こういう時は本人の中に大きな葛藤が生じます。

 

 

自分にとって得意なことは周りからも求められるし喜ばれるので、自分から手放すことは勇気がいります。充実感も感じやすいし、分かりやすく承認欲求が満たされる。

けれど、才能を活かすその生き方が、あなたが本当に求めていることではない場合…

あなたの本質ではない場合…

どんなに「今のあり方」に納得しようとしても、感謝していても、ごまかせません。

心と体がどんどん離れてゆき、どちらかが壊れていきます。

「できてしまう(ように見える)」からこそ、やめることができないという苦しみ。

 

 

例えば、私にとって「自然で無理なくできて、得意なこと」で仕事にしてきたのは、「講師」としての仕事です。

高校・大学受験の英語を中心に10年以上続けました。

でも得意だからといって、「じゃあ教職免許をとって学校の先生になったら」という道は私の本質にはありませんでした。「こう生きていきたい」と感じている私の感覚とは全く違う。

得意だから、できるからといってその道に進んだら間違いなく体を壊していたでしょう(笑)

私にとっては「ひとりの時間」「書く時間」をバランスよく取れる「家庭教師」や「塾」の方が働き方として合っていました。

 

 

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才能があり、それが本人の本質でもあり、その道を行くことが幸せでも、環境が合わなければ(働き方や、周りの人間関係、内と外のバランス)やはり潰れてしまう。

本当にバランスの芸術ですね。

 

 

 

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才能があるから、できるからとその道に進むことが、本人にとって本当に幸せなことなのか、本質に合っているのかは、本人以外誰にも分からないのです。

 

私たちはつい期待してしまいます。

「せっかくできるんだから、こうあれ」と。

「才能があってそれを活かして生きることは幸せだ」という思いこみがあるからです。

 

 

でもそれが本当に本人の本質なのかどうか、「こう生きていきたい」という感覚と合うのかどうか、そして才能を発揮して生きる土壌と環境があるのか、それを揃えらえるのか…

 

 

まずは周りの人に対して、フラットな目で見ていたいと思います。幸せそうな人が、心の中で泣いている…なんて、本当によくあることですから。

憶測だけで、過去からの記憶だけで目の前の状況を判断しないようにしたい。

 

これは娘を見ていて気をつけようと意識しているところでもあります。

できるからといって、「今このタイミングでどんどん先に進めることがいいことなのか」、それはやはりその道のプロにまず聞いてみること、そして本人の思いを丁寧に聞いてみることから。

親としては(小さい時は特に)先に環境を用意することや、レールをある程度引くような選択をしないといけない時があって、そういう時に、まずは「わたしの心」の中に何があるのかを見ないといけませんね。

 

 

ひとりの人の心の背後にあるもの、家系的に受け継がれてきたエナジーは膨大です。プライベートセッションでそれが垣間見える時がありますが、「何かを変える」ことは本人にしか絶対にできないことなのです。

自分を「愛する」ということも。

どれだけたくさんの人に愛されていても…本人がそれを受けとってくれないと愛はめぐらない。いくら言葉を重ねても、「いや、自分なんて…」と届かない。

自分ひとりで完結してしまう、それぞれの心…

 

 

遺作となったこの曲、本当に美しいです。

リアルタイムで歌っているところを、一度でいいから見てみたかった。(/ _ ; )

 


三浦春馬「Night Diver」Music Video

 

 

彼を想う時、どうしても集合的な「哀しみ」や「犠牲」というようなエナジーに繋がりやすく、ハートのあたりがすぐ苦しくなるので、彼が残してくれた光に意識を合わせていこうと思います。

きっとどこにいても、輝いているだろうから。

 

 

 

 

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